苦手な算数・・生徒の様子ー3|2016/09/04

次にご紹介するのは、Mちゃんです。今年の春に、神戸に引っ越して来られて、小学一年生から

レッスンに来てくれている女の子です。すぐに演奏にうつる鍵盤レッスンの前に、一年間だけ

リトミック最終ステップに入っていただきました。

 

活発で明るい、とてもいい子です。その性格から、勉強に困っている様子は見えなかったのですが、

夏休みも終わる頃、お母さんから算数が苦手で計算に苦しんでいると、私にとっては意外な言葉を

聞きました。2学期から二ケタの計算が始まります。このまま学校が始まって、勉強につまずき、

この明るさがなくなってしまったら・・・そんな思いが、次のレッスンまでずっと、心の中に

もやもやとありました。

 

夏休み中最後のリトミック、音楽はそこそこに計算問題を一緒にしました。

おはじきで、数字を書いたりせずに(お勉強!!になるとMちゃんの気持ちが萎縮してしまうと思ったので)

とにかく、クイズを解いていくようにどんどんと問題を出し、おはじきを使って即答です。

 

次に、おはじきを使わず頭で考えて計算しました。できます!!どんどんできました!!

お母さんも見ていて、びっくりしていらっしゃいました。

 

家で勉強を見る時、親子って、甘えや苛立ちをお互い持ってしまいませんか?

なかなか家庭学習がうまくいかない原因ではないでしょうか?

気が付けば、結構きついことを子どもに浴びせている・・・「なんでできないの!」「あかんな~」・・・

子どもを否定してしまう言葉を、平気で言っていませんか?

 

子ども自身も、わかっているんです。苦手だということ、やらなければいけないということ。

でも、否定されたら自分はやってもダメなのかと、自分自身を卑下してしまいます。

 

音楽を教えるとき、前にやってできたことを忘れてしまって、また一からということが、あります。

そんな時、私自身、「前にやったエネルギーはどうなるのよ」と思うのですが、子ども達には

もう一度、あたかも初めて教える様に取り組みます。

そして、子どもが「思い出したよ!!」「わかった!!」といってくれるのを待ちます。

 

Mちゃんにおはじきを見せたとき、「お母さんが、おはじきは使ってはいけないと言うよ」と

言いました。お母さんの気持ちは十分わかります。まだそんなものを使っていて、どうするの??

だから、使わずに頭で考えてほしい、そういうことだと思います。

 

でも、ほんの少しだけ前の段階に戻って(Mちゃんの場合は、おはじきを使って計算すること)

しっかりと計算できる力をつけることが、結果的には前に進める。学習の習慣づけとはこういう事では

ないでしょうか?

 

音楽教室なのに知育?そう思われると思います。

教育関係で働く大人の生徒さんが、現場の様子を愚痴を含め、話ししてくれます。

そんなことになっているの??と、びっくりすること、悲しくなることが多いです。

 

音楽を教える中で、子どもにとって学習することとは?その有効な方法とは?そんなことを長い間かけて

生徒から教わり、自分の子育てを思い出しながら、私なりに実践してきました。そして子ども達が、

勉強が楽しいと思えるように手助けしたいと思い、知育コースを開きました。

 

今、リトミック+知育の生徒さんが大半です。リトミックを修了して鍵盤に上がってからも、知育の

カリキュラムはたくさんあるので引き続き+知育を望んでくださるご家庭があります。

子ども達が、本当に健やかに、そして自信を持って生きていける力を身につけてほしい。

それが、私の一番の願いです。

 

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