こうべ障害者音楽フェアを観てきました|2019/12/02
今日は。神戸市東灘区はな音楽教室です。
昨日、神戸新聞松方ホールで行われました、こうべ障害者音楽フェア2019 ジョイフルコンサート
に行ってきました。障害のあるプロの音楽家さんや、アマチュアで音楽活動をなさる
方の演奏を聴くことができます。
今年は、ハンドベルのグループ、かしわもちかずとさんという高校3年生のシンガーソングライター、
時田直也さんという声楽家の皆さんでした。
私は、ハンドベルのグループが始まってすぐに、胸が熱くなりました。
指揮をなさる先生が、ベルを持って次の音を出す出演者さんの近くまで行って、次の音、次の音を
指示するために、舞台を歩き回られるのです。その姿を見て、涙が出てきました。
舞台での演奏時間はそんなに長くないですが、この舞台を踏むまで、どんなに練習なさったか、
その時もこうして歩き回ってご指導なさったはず。ベルの優しい音色が、余計に心に届きました。
同時に、指導者として見習うべき姿を見せて頂いたような気持ちになりました。
かしわもとかずとさんは、生まれつき目がみえないとのことでした。でも、明るい声、自分で詩を書いて
歌っていらっしゃる、その歌が高校生らしい飾らない言葉と、ストレートな表現、目の不自由な方は、
そんな気持ちでいらっしゃるのか・・・そんなことが、実はとても困ってしまうことなのか・・・
気が付かない、目が見えない方がどんな状態かをわからない私たちは、何をすればいいのだろう?
彼の歌の歌詞は、私には想像もつかない言葉でした。そしてそれが、現実社会であるということ。
抽象的で何のことかと思われるでしょう。是非、彼のCDをお聴きになったりコンサートに
行ってみてくださいね。
時田直也さんも目がご不自由ですが、ピアノを弾いて歌ってくださいました。角のないお声、
温かい毛布にくるまれているような感じでした。
スペシャルゲストは、ボサノバの小野リサさんです。今年は、神戸とリオデジャネイロが
姉妹都市として提携50周年になるそうです。
ピアノのフェビアン・レザ・パネさんの伴奏で、素敵な音楽を届けてくださいました。
途中で小野さんが涙を拭うことが多くなって、どうなさったかなと思っていました。
小野さんも感動して感激で、涙があふれましたとおっしゃっていらっしゃいました。
フィナーレは、神戸の震災から立ち直ろうという思いが詰まった曲「しあわせ運べるように」を
会場のみなさんと歌いました。でも、私はいつもこの歌を歌えません。
あの震災の時のことを、いろいろと思い出してしまいます。
とにかく必死だったこと、まわりの人たちが、みんなあたたかかったこと、あの時、
ともに乗り越えた友人、ご近所さんは、今でも仲良しです。
南海トラフ地震が近いと、報道されますね。その時、自分は何ができるのか、家に居れる?
地下街を歩いている?・・・誰にもわかりません。
障害のある人もない人も、みんな同じ命ですね。震災を経験した神戸、かしわもとさんの歌、
小野リサさんが歌われた「いのちの歌」・・・すべてが繋がっているような気持ちになりました。
スタッフの皆様、本当に素敵な時間をありがとうございました。また来年、楽しみにしています。